<2018年>政治家の暴言・問題発言まとめ
今年も主に自民党議員による問題発言が相次いだ。
年の瀬にざっと振り返ってみたい。
●杉田水脈 自民党・衆院議員
「LGBTのカップルのために税金を使うことに賛同が得られるものでしょうか。彼ら彼女らは子供を作らない、つまり『生産性』がないのです」
『新潮45』8月号
今年もっとも非難を浴びたのはこの発言だろう。
自民党は2017年の衆院選で「性的指向・性自認に関する理解の増進を目的とした議員立法の制定を目指す。多様性を受け入れる社会の実現を図る」という公約を掲げていた。
杉田議員は、自分が所属する党の公約と反するこの発言で何の処分も受けず、また自ら離党することもなく今も議員として講演・執筆を続けている。
つまりは自民党の本音も同じだ、ということだろう。
●麻生太郎 副総理兼財務相
「セクハラ罪という罪はない」
ロイター 5月8日
女性記者へのセクハラ疑惑を報じられた福田淳一前財務事務次官についての発言。
続けて「殺人とか強制わいせつとは違いますから」とも述べている(BuzzFeed News 5月5日)。
ここから麻生氏の独壇場の様相を呈してくる。
●麻生太郎 副総理兼財務相
「どの組織でも改ざんはありうる。組織全体としてではなく、個人の資質が大きかったのではないか」
NHK政治マガジン 5月8日
開き直りに呆れる。
個人の問題だから、自分には責任がないと言っているに等しい。
●麻生太郎 副総理兼財務相
「G7(先進7カ国)の国の中でわれわれは唯一の有色人種であり、アジア人で出ているのは日本だけ」
共同通信 9月5日
耳を疑う、自民党総裁選で安倍晋三首相を支援する会合での発言。
ご存知のようにG7各国はさまざまな人種で構成されており、米国のオバマ前大統領もG7首脳会議に出席している。
G7各国で暮らしている白人以外の人たちを全否定する、許されない発言。
●麻生太郎 副総理兼財務相
「飲み倒して運動も全然しない(で病気になった)人の医療費を、健康に努力している俺が払うのはあほらしくてやってられんと言っていた先輩がいた。良いことを言うなと思った」
共同通信 10月23日
麻生氏は日本の社会保障の根幹である国民皆保険(健康保険)のことを知らないようだ。
これは社会保険制度の否定に他ならない。
●麻生太郎 副総理兼財務相
「人の税金使って学校行った。東京大学だろ」
YOMIURI ONLINE 11月18日
北九州市長選で4選を目指して立候補を表明した現職の北橋健治氏について、麻生氏はこう揶揄した。
共産党の小池晃書記局長は「教育の無償化を言っている安倍政権の財務大臣が、教育に対する税金投入を否定するというのは本当に支離滅裂だ」と批判している(朝日新聞デジタル 11月19日)。
麻生氏の娘さんも東大出身なのだが……。
●麻生太郎 副総理兼財務相
「上がっていないと感じる人の感性」
共同通信 12月14日
景気拡大期間が高度成長期の「いざなぎ景気」を超えたが賃金が上がっていない状況を問われて「上がっていないと感じる人の感性」の問題だと言ってのけた。
そもそも物価の上昇率に実質賃金の上昇率が追いついていない時点で、「景気がいい」はずがないのだが、そんなことはどうでもいいらしい。
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こうして見ると、今までにないひどい暴言をしても何の処分も受けなかった異常な1年だった。
いや、1人だけ処分された人がいた。
●松本文明 内閣府副大臣
「それで何人死んだんだ」
朝日新聞デジタル 1月26日
沖縄県で続発する米軍機の事故やトラブルについての国会の大行質問の最中に飛ばしたヤジが原因で自分のクビが飛んだ。
これは単に安倍首相が“守るに値しない”と判断したからだろう。
野次馬根性ではなく、「こんなに無知で偏見に満ちた人間が政権にいる」という恐るべき事実を、今後も監視・報告してゆきたい。