映画・音楽・本、そして政治オタク

何と言われようが、書きたいことを書こう。あなたも。

TPPが読書に与えた悪影響と、今できること。

米国を除く11カ国が参加する環太平洋連携協定(TPP)の新協定「TPP11」が昨年12月30日に発効したのにあわせて、日本の著作権保護期間が作者の死後50年から70年に延長されました。

パブリックドメイン知的財産権が発生していない、または消滅した状態)となった作家の作品を公開してきた青空文庫は、今年元日、「Public Domain Locked」と書かれた黒地に赤のバナーを掲示し、保護期間延長に遺憾の意を表明しました。

f:id:toshiyuki-terui:20190105133802j:plain

著作権保護期間の延長問題を考えるフォーラム」(think C)での議論では、「保護期間延長にメリットは無い」との結論が出ていただけに、この声を無視して発効したTPP11には、読書人の一人として反対します。

青空文庫の創設は、1997年。その姿勢は、

青空の本は、読む人にお金や資格を求めません。いつも空にいて、そこであなたの視線を待っています。誰も拒まない、穏やかでそれでいて豊かな本の数々を、私たちは青空文庫に集めたいと思うのです。(「青空文庫の提案」より)

 というものです。

とても素晴らしいことだと思いますし、実際私が今までとは比べものにならないほど多くの本を読むようになったのは、青空文庫シャーロック・ホームズシリーズの短編、赤毛同盟』を読んで衝撃を受けのがきっかけでした。

本や文章を含む知的創造物は人類の財産であり、できうる限り残していかなければならないと思います。

70年延長を受け、Think Cやクリエイティブ・コモンズ・ジャパンなどは、著作権保護期間の延長を乗り越えて、作品を死蔵から救うためのしくみを進めよう!」と題した署名活動を「change.org」で開始しました。

絶版作品の保存・活用策や、権利者不明作品への対策、権利者が自ら作品のオープンな利用ルールを宣言する仕組みの普及などを訴える署名を募っており、私も署名しました。

この問題をどう考えるか、何をするのか(しないのか)は、あなた自身が判断してください。