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「核製造企業への融資禁止」宣言、さらなる踏み込みを。

りそなホールディングスは、核兵器を開発・製造・所持する企業に対して融資を行わない方針を定め、昨年11月に公表しました。

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「社会的責任投融資に向けた取り組み」

こうした取り組みは国内の大手銀行では初めてで、当然とは言え、良いことだと思います。

この背景には、2017年7月に核兵器禁止条約が国連で採択され、欧州を中心に投融資を禁止する銀行や機関投資家が広がっている状況があります(「ESG投資」と呼ぶそうです)。

核兵器禁止条約は、69カ国・地域が署名。これまでに19カ国・地域が国内手続きを終え、50カ国・地域に達すると90日後に発効します。

条約は核兵器の開発・保有・使用などを禁止しており、専門家によると、投融資は禁止項目に含まれる「援助」にあたる可能性もあるそうです。

日本政府は核兵器禁止条約に署名しておらず、国内外から強い批判があるのはご存じのとおりですが、ビジネスの世界ではもはやごまかしは通用しなくなっている、ということでしょうか。

NGO核兵器廃絶国際キャンペーン」(ICAN)傘下のNGO「パックス」によると、今回のりそなHDの公表は、「発効を先取りし、条約違反に問われるリスクを減らそうとしている」とのこと。

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このような巨大企業が今後融資を受けづらくなっていく状況を踏まえ、先手を打ったのは妥当な判断かと思います。

しかし、私にはもっと気になることがあります。

先ほどの「社会的責任投融資に向けた取り組み」には、次のような文言もあります。

環境に配慮した商品・サービスの開発・提供などを通じてお客さまの環境保全活動を積極的に支援することは、金融機関の重要な責務であると考えています。
したがって、融資を通じて、お客さまの環境に配慮した取り組みを積極的に支援していく一方で、環境に重大な負の影響を及ぼすおそれのある開発プロジェクト等への融資は行いません。

 “環境に重大な負の影響を及ぼすおそれのある開発プロジェクト”と聞いて真っ先に原子力発電」を想起するのは私だけでしょうか。

りそなHDがこの文書に基づいて、原子力発電所の海外建設などへの融資も凍結することを望みます。