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ジェンダーレスはファッションから!~クリント・イーストウッドとセーラー服おじさん

性別にとらわれずに買い物ができると言う、「GENDER FREE HOUSE」が、有楽町マルイ(東京・千代田)に期間限定(2月16日~3月3日)でオープンしました。

www.0101.co.jp

靴やスーツのサイズを幅広く扱い、男性向け、女性向けといった区別を設けない事で、誰でも入りやすい売り場を目指しているそうです。

もともとマルイのPB(プライベートブランド)では幅広いサイズをそろえていて、トランスジェンダー(出生時の性と自身が認識する性が一致しない)の消費者に一定の支持を得ていたとの事です。

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現在、国際的に既存の「男らしさ」「女らしさ」を見直す動きが大きくなっています。
いわゆる「ジェンダー(社会的・精神的な性別)」の問題を考えずには社会が回らない、というところまで来ていると思います。

そのうえで私がこの「GENDER FREE HOUSE」に感じたのは、ジェンダーフリーより、むしろ「ジェンダーレス」と呼んだ方がいいのでは?という事です。

ジェンダーレスは、元来は「社会の役割的な男女の性差をなくそう」というジェンダーフリーと同じ考え方であり、この考え方に基づいた運動・活動のことを指していました。

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ウィリアム・フォン

しかし近年、海外のモデルが両方のファッションを着こなす両性モデルというユニークな現象が起こり、世界のファッション業界で話題になったことをきっかけに、「女性でありながら男性のファッションを着こなすジェンダーレス女子」というようにファッション用語としても新たに用いられるようになったため、「男女の境界がないファッション」という意味も併せ持つようになりました。

ファッション用語の「ユニセックス」は「男女兼用」の意味のため、ジェンダーレスとは異なります。女装や男装とも異なる、新しいファッションのあり方・考え方です。

日本の芸能人では、こんどうようぢさんが人気です。

 
 
 
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スタバ新作おいちかった。 今日はおかんと妹と 渋谷でお買い物したよ。 撮影:おかん

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このような例を見てしまうと、ジェンダーレスファッションは、「華奢でイケメン」しか許されないような気がしてきますが、そんな事はありません。

私はおそらく年相応の一般的なオヤジですが、レディースのオーバーオールを気に入って、しょっちゅう着ています。
元をたどると、昔からポンチョが大好きでした。

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映画『荒野の用心棒』のクリント・イーストウッド

映画の影響でずっと憧れていましたが、実際に買えたのはレディースのポンチョだけでした(それでも気に入って着ています)。

街で見るのも女性が来ているポンチョばかりで、私のようにポンチョを着た男性を見たことはありません。
必然的にレディースコーナーへ行く事が増えます。

ファッション売り場は、体感9割がレディースです。当然お洒落なものもレディースなことがほとんどでした。

特に私が気に入ったのがチュニックでした。

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これはとてもお洒落かつ個性的で、ずっと憧れていました。
しかし、「チュニックは女性が着るもの」という呪縛に囚われ、心に霞がかかったようなグレーな気持ちを抱え続けてきました。

そんな気持ちの転換点が、この記事でした。

r25.jp

「セーラー服おじさん」こと小林さんのインタビューを読んで、私の心は解放されました。

「好きな服を着ていいんだ」という確信が持てたのです。

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ファッションは自立です。
自分で服を選び、組み合わせ、外に出る。自己表現と言えます。

ジーンズやスニーカーのブランドには若干こだわりますが、単体で数十万円もするような高級ブランドにはまったく関心がありません。

まだ季節的にチュニックは探していませんが、今でも人からは「おしゃれ」「できそうでできないファッション」などと言ってもらう事があり、少なくとも自立はできているのかなあ、と思っています。

ファッションが変われば、不思議と考え方も変わってきます。

もっと好きな服を選べるよう、売る側もビジネスとして機会損失が広がらないうちに、どんどんジェンダーレスな店舗を増やしてほしいと思います。(了)