【必読】未読だけど絶対読みたい! サイエンス系良書・9選
サイエンス系の本が書店でも増えている印象ですが、本当にためになる手応えある読みたい本をピックアップしました。
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想像するちから チンパンジーが教えてくれた人間の心
松沢哲郎
岩波書店
家族進化論
山極寿一
東京大学出版会
人間以外には見られない、家族を単位とした共同体。
鼻の先から尻尾まで 神経内科医の生物学
岩田誠
中山書店
神様の失敗。
言語が違えば、世界も違って見えるわけ
ガイ・ドイッチャー
インターシフト
言語は思考に影響を与えるのだろうか。
ハーレムの闘う本屋 ルイス・ミショーの生涯
ヴォーンダ・ミショー・ネルソン
あすなろ書房
黒人に関する本だけを扱う書店の話。
未来世代の権利 地球倫理の先覚者、J-Y・クストー
服部英二
藤原書店
ユネスコの「未来世代に対する現存世代の責任宣言」「文化の多様性に関する世界宣言」。
精神を切る手術 脳に分け入る科学の歴史
橳島次郎
岩波書店
ロボトミーは悪なのか。
手話を生きる 少数言語が多数派日本語と出会うところで
斉藤道雄
みすず書房
手話は自然言語。
ネガティブ・ケイパビリティ 答えの出ない事態に耐える力
帚木蓬生
朝日新聞出版
人間の究極の能力は「寛容」。
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とりあえず、今読んでいる『逃げるは恥だが役に立つ』を9巻まで読んだら、取り掛かりたいと思ってます。
Amazonが本の値引き販売を視野に ~日本の出版業界特殊事情を崩せるか~
アマゾンジャパンは1月31日、出版社から書籍を直接購入し、販売する「買い切り」方式を年内にも試験的に始めると発表しました。
また、記者会見で、「書籍の返品率を下げるため」と説明し、本の価格設定についても検討する考えを示しました。
買い切る書籍については出版社と協議して決定。
一定期間は出版社が設定した価格で販売しますが、売れ残った場合は出版社と協議して値下げ販売などを検討するということです。
まずは、現在日本で本がどのように流通しているか見てみましょう。
こんな感じで、「取次」と呼ばれる卸問屋のような存在が大きな特徴です。
また、日本で本が定価で統一して売られているのは、「再販制度(再販売価格維持)」という制度が適用されているからです。
メーカーによる価格拘束は、本来独占禁止法により禁止されている行為ですが、新聞などの著作物<書籍、雑誌、新聞、音楽ソフト(音楽用CD、レコード、音楽用テープ)の、いわゆる「メディア4品目」>については例外として再販制度が認められてきました。
著作物の過剰な価格競争が、出版文化を崩壊させないようにすることが目的です。
タバコと同じ、あくまで「例外」という事ですね。
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「取次」は海外にもありますが、雑誌と書籍を一緒に扱うところはありません。
また、書店が書籍、雑誌を仕入れる場合、日本ほど取次経由で仕入れる比率が高いという国もほかにはないと思います。
日本出版販売(日販)とトーハンが大手として知られています。
よくベストセラーのランキングで、「トーハン調べ」などと表記されますよね。つまり統計として通用するほど、ほとんどの本が取次を通しているのが現状です。
この結果、ある本が1冊定価1,000円で、標準的な契約内容で見てみると、売り上げの分配はおおよそこのようになります。
日本の場合、書店が出版社から直接本を買い取ることは少なく、取次から「配本」される本を並べているだけです。
あえて悪く言うと、「買ってないから、売れなさそうな本はすぐ返本できる」という事です。
「出版不況」と言いながら、出版点数と返本率が高いのは、取次への依存度が高すぎる状態が長年続いてきた弊害だと思います。
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私は主に図書館を利用していますが、「図書館利用者は著者に利益を還元しないからダメ」のような言説を何度も目にしてきましたし、そういう人は今も一定数います。
しかし、図書館に所蔵してある本は、誰が購入しているのか考えたことはあるんでしょうかね。
読書愛好家として確実に言えることは、
「読まれないで棄てられる本ほど不幸なものはない」
という事です。
書店で段ボールに入ったまま返本され、裁断されていくより、図書館でも、ブックオフでも、読まれた方が本にとって良いに決まってます。
それが理解できないという人は、趣味は読書とか、読書家とか名乗ってほしくありません。
ですので、Amazonが売れない本を値引きするという方針には賛成です。
それは本の価値を貶めるものではなく、読まれるチャンスすら与えられなかった本たちに光を当てるものだと思います。
その結果、取次がつぶれたりしても、むしろ役割を終えたと思って安心して消えていってください。
本にも心があるのですから。
オタクは1年にいくらつぎ込むのか。 ~一番金を使ってるのは何オタク?~
オタクの消費動向をデータとしてまとめた矢野経済研究所のレポート(「オタク」に関する消費者アンケート調査)が1月24日に発表されました。
国内に住む15~69歳までの男女1万408人にインターネットでアンケート調査を実施。
オタクと自認している人またはオタクと言われたことのある人に対し、どの分野に興味があるか、年間の消費額はどのくらいかなどを聞いたそうです。
「オタク」という言葉は1980年代に生まれ、「ある分野に非常に詳しかったり、特定の趣味に非常に没頭している人」というニュアンスで使われ始めました。
ですが、暗にアニメ・マンガ・ゲームの愛好者を指し、「マニア」「フリーク」「ファン」よりも一段低い中途半端な存在としての呼称だったように思います。
テンプレとしてのイメージは、
こんな感じです。
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しかし今周りを見渡してみると、自分を含め、「オタク」という言葉にネガティブなニュアンスは薄まったと思います。
逆に、多様化してひとつの市場として成立していますよね。
レポートのデータをグラフにしてみました。
割合としては、マンガ・アニメ・アイドル・オンラインゲームが四天王と言えそうです。
かなり細分化していますが、「マンガ」「アニメ」については3年連続で1位、2位を占めているとのこと。
ただ、経年で調査している20分野では、アイドル分野以外のすべてで人数が減少しているそうです。
政治オタクは、悲しいことに統計の対象にすらなっていません。
それでは、世のオタクたちは、平均どのくらいの額を好きな分野につぎ込んでいるのでしょうか。
Googleスプレッドシートさんでサクッとグラフにしてみましたが、ダントツでアイドルオタク(ドルオタ)の皆さんの消費額が高いです。
鉄道模型は、人数よりも、模型そのものが高価というのがありそうです。
メイドカフェ・執事カフェも利用料金が高いのでしょうね。
前述の通り、オタクという呼称は、ある分野に非常に詳しかったり、特定の趣味に非常に没頭している人に使われ、“マイノリティー”として扱われてきました。
しかし、オタク市場の拡大に伴い、「近年『オタク』という言葉からネガティブなイメージは薄れつつあり、『オタク』はもはやマイナーな存在ではなくなっている」と矢野経済研究所は指摘。
マーケティングの専門家が調査に基づいて言っているのですから、これは事実として受け止めるべきだと思います。
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しかし、2018年にKDDI総合研究所が発表したレポートでは、意外な結果が見えています。
18~34歳のオタク1000人を対象にしたアンケートで、展示や物販、同人イベントのほか、ミュージカルやライブに「参加したことがない」と答えた人はいずれも65%以上を占めています。反面、1カ月に2回以上足を運ぶ人は2%以下でした。
つまり、月に3万円以上を推しにつぎ込んでいる1~2%のコア層が市場を支えている、という側面もあるという事です。
これはとても重要なこととして認識しなければなりません。
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好きなものにお金をかけるのは当然のことですが、大別して「応援・還元」「自己満足」「優越感」の3種類の心理があるとKDDI総合研究所では分析しています。
しかしながら、「新商品を誰よりも早く手に入れたい」などの優越感よりも、「入手できるものはできるだけ収集したい」といったコレクション目的や、「作品の制作者にお金が入るのであれば払うことに抵抗感はない」といった応援目的のほうが多く割合を占めていたそうです。
フライングゲットは意外と主流ではないようです。
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オタク、マニア、コレクター、ファン、フリークなど様々な呼び方がありますが、あまりこだわる必要はないと思います。
好きなものを、好きなように楽しめばそれでいい。
愛好者どうしでいがみ合うことほど不毛なことはありません。
どうぞあなたもより良いオタクライフを!
【保存版】未読の“必読”SF小説メモ・5選+α
入手困難なものもありますが、とりあえずまとめておきます。
『輝くもの天より堕ち』
ジェイムズ・ティプトリーJr.
『太陽の簒奪者』
野尻抱介
『10月1日では遅すぎる』
フレッド・ホイル
『火星のタイムスリップ』
フィリップ・K・ディック
この他にも、入手困難ですが、
『悪鬼の種族』
ジェイムズ・H・シュミッツ
『パンドラ効果』
ジャック・ウィリアムスン
『虚空の遺産』
エドモンド・ハミルトン
『キャメロット 最後の守護者』
ロジャー・ゼラスニス
があります。
ペーパーバックは、図書館で所蔵している場合も多いので、公共の資源を最大限活用していきます。
皆様もより良い読書ライフを!
TPPが読書に与えた悪影響と、今できること。
米国を除く11カ国が参加する環太平洋連携協定(TPP)の新協定「TPP11」が昨年12月30日に発効したのにあわせて、日本の著作権保護期間が作者の死後50年から70年に延長されました。
パブリックドメイン(知的財産権が発生していない、または消滅した状態)となった作家の作品を公開してきた青空文庫は、今年元日、「Public Domain Locked」と書かれた黒地に赤のバナーを掲示し、保護期間延長に遺憾の意を表明しました。
「著作権保護期間の延長問題を考えるフォーラム」(think C)での議論では、「保護期間延長にメリットは無い」との結論が出ていただけに、この声を無視して発効したTPP11には、読書人の一人として反対します。
青空文庫の創設は、1997年。その姿勢は、
青空の本は、読む人にお金や資格を求めません。いつも空にいて、そこであなたの視線を待っています。誰も拒まない、穏やかでそれでいて豊かな本の数々を、私たちは青空文庫に集めたいと思うのです。(「青空文庫の提案」より)
というものです。
とても素晴らしいことだと思いますし、実際私が今までとは比べものにならないほど多くの本を読むようになったのは、青空文庫でシャーロック・ホームズシリーズの短編、『赤毛同盟』を読んで衝撃を受けのがきっかけでした。
本や文章を含む知的創造物は人類の財産であり、できうる限り残していかなければならないと思います。
70年延長を受け、Think Cやクリエイティブ・コモンズ・ジャパンなどは、「著作権保護期間の延長を乗り越えて、作品を死蔵から救うためのしくみを進めよう!」と題した署名活動を「change.org」で開始しました。
絶版作品の保存・活用策や、権利者不明作品への対策、権利者が自ら作品のオープンな利用ルールを宣言する仕組みの普及などを訴える署名を募っており、私も署名しました。
この問題をどう考えるか、何をするのか(しないのか)は、あなた自身が判断してください。
【継読メモ】クジラ類は「特別な動物」なのか?
ご存知の通り、日本政府は2018年12月26日、IWC=国際捕鯨委員会から脱退し、今年7月から商業捕鯨を再開することを表明しました。
ちょうど今、私の目の前に読みかけの本があります。
「イルカは特別な動物である」はどこまで本当か 動物の知能という難題
ジャスティン・グレッグ (著), 芦屋雄高 (翻訳)
しかしこれは図書館で借りたもので、返却期限までに読了できなさそうなので、この場に問題提起とメモとして記録しておきます。
私は、昔から「反捕鯨国」があることが疑問でした。それらの国々では、イルカを含むクジラ類を人間の法律で保護しようとしていたからです。
この「神話」「信仰」の震源は何なのか? 長年分かりませんでした。
そして昨年知ったのがこの本でした。
以下は文中で紹介されている、ある動物の能力です。
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- 個体数が数百にも達する群れで生活する。そして群れの中の個体を認識し覚えることができ、複雑な社会的ヒエラルキーを作る。
- 群れの中の他の個体から、特定の行動を学習する。
- 仲間や家族が苦しんでいるのを見ると、心拍数の上昇や不安を表す行動をする。
- 食べ物を見つけると、複雑な一連の鳴き声を使って群れのメンバーに知らせる。
- 周囲に迫る危険の種類によって、異なる何種類もの鳴き声がある。
- 未来の事象を予測する能力、そして自制行動を示す。
かなり高度な能力だと思いますが、これはご期待のイルカではなく、ニワトリの能力です。ニワトリは一般的に考えられがちなほど愚かな動物ではありません。
イルカは、クジラ類の中でも歯を持つ比較的小型の種を指す便宜的な分類です。では、「知的なイルカ」という神話はいつ始まったのでしょうか。
それは、1958年のアメリカのジョン・カニンガム・リリーによる研究発表でした。
彼は、国立精神衛生研究所の医師・神経生理学者。その経緯は本書に譲るとして、半世紀以上経った現在でも、イルカは映画・テレビドラマ・小説などで「高い知能を持った、平和の象徴」としてのイメージが定着しています。
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私は、種を越えた比較を可能とする単一の指標があり、それによってあらゆる動物の知能が評価できるという考えは幻想で、傲慢だと思います。
知能というものは抽象的で捉えどころがなく、恣意的な価値観に基づいて評価しようとすることは、「非科学」です。
よって、クジラ類を「人間と同じ法的保護に値する」とすることは“信仰”という外はなく、絶滅の危険以外での議論は科学と非科学を混同させるもの、というのが現時点での考えです。
政治的な思惑には納得しかねますが、IWCを脱退したこと自体は正しい判断だったと思います。
「良い本」の条件とは。
ベストセラーになった、あるいは賞を取った本は良い本と言えるのでしょうか?
それはノーと言わざるを得ないでしょう。
良い本とは、「ある程度期間をおいても、また読みたくなる」本です。
私が拙いながら動画を作ったので、参考にしていただければ幸いです。
それではまたお目にかかりましょう~。